国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問49解説

 問 題     

医薬品の相互作用に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ ソリブジンは、その代謝物がジヒドロチミン脱水素酵素を阻害することにより、5‒FU(フルオロウラシル)の作用を増強する。
㋑ リファンピシンは、P450 の誘導を阻害し、ワルファリンの代謝を促進することで、抗凝血作用を増強させる。
㋒ 硝酸イソソルビドは、cGMP の濃度を増加させることにより、シルデナフィルによる血圧低下作用を増強する。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
「ソリブジン+5-FU」は、健康被害をもたらし社会問題となった薬物の一つです。重篤な骨髄抑制を起こしました。

㋑ ですが
リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール が、ほぼすべての CYP 分子種を「誘導」することが知られています。阻害ではありません。よって、㋑ は誤りです。(薬剤学まとめ 薬物代謝酵素の変動要因

㋒ は妥当な記述です。
シルデナフィル(バイアグラ)と硝酸薬の併用は禁忌です。

以上より、正解は 3 です。

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