国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問48解説

 問 題     

中枢神経系に作用する医薬品に関する記述㋐~㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ テトラヒドロカンナビノールは、身体依存を生じるが、精神依存は生じない。
㋑ ニコチンは、中脳辺縁ドパミン神経系を活性化し、ドパミンの遊離を促進する。
㋒ メチルフェニデートは、注意欠陥/多動性障害の治療に用いられる。
㋓ バレニクリンは、a7 ニコチン受容体を遮断するので、経口禁煙補助薬として用いられる。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
テトラヒドロカンナビノールは、大麻の主成分です。幻覚作用があります。精神依存性、耐性は弱く、身体依存性の危険性は低いとされています。よって、㋐ は誤りです。

㋑、㋒ は妥当な記述です。
脳内ニコチン受容体に作用 → 報酬系を司るドパミン神経系において、神経終末からドパミン遊離 → 快感情 という流れです。
メチルフェニデート(コンサータ)は、主にドパミン及びノルアドレナリンの再取り込みを抑えることで作用します。

㋓ ですが
バレニクリンは、ニコチン受容体に対する「部分作動薬」として作用します。遮断するわけではありません。(経口禁煙補助薬という部分は妥当です。)よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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