国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問45解説

 問 題     

表に示す脂肪酸に関する記述 ㋐~㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ パルミチン酸の IUPAC 名は pentadecanoic acid である。
㋑ リノール酸は ω3 脂肪酸に分類される。
㋒ □ に入る α ‒ リノレン酸の記号表記は 18:3(9Z,12Z,15Z)である。
㋓ 融点が低い方から順に並べると、α ‒ リノレン酸 < リノール酸 < オレイン酸となる。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
penta = 5,decanoic = 10 で、合わせて 15 です。パルミチン酸の炭素数は 16 なので  hexadecanoic acid です。hexa = 6 です。㋐ は誤りです。

㋑ ですが
必須脂肪酸は、アルキル基末端から数えた、二重結合の始まりの位置により、ω-6 脂肪酸と、ω-3 脂肪酸に分類されます。代表的な ω-6 脂肪酸は、リノール酸、アラキドン酸です。代表的な ω-3 脂肪酸は、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA:eicosapentaenoic acid)、ドコサヘキサエン酸(DHA:Docosahexaenoic acid)です。リノール酸は ω – 6 に分類されます。㋑ は誤りです。

㋒、㋓ は妥当な記述です。
一般に、不飽和結合が多い方が、脂肪酸の融点は低い傾向にあります。

以上より、正解は 5 です。

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