国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問44解説

 問 題     

複素環に関する記述 ㋐~㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ フランは 2 組の非共有電子対を含む 10 個の π 電子が環状に共鳴している。

㋑ イミダゾールの二つの窒素原子の混成状態は共に sp2 である。

㋒ 1,4‒ジヒドロピリジンは酸化剤によりピリジンに変換される。

㋓ 3,4‒ジヒドロ ‒ 2H ‒ ピランは酸性条件下でアルコールと反応し、ラクトンを形成する。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
π 電子は 二重結合2個で4つと、O 上の非共有電子対を合わせて「6つ」です。㋐ は誤りです。正解は 3 ~ 5 です。

㋑、㋒ は妥当な記述です。

㋓ ですが
酸性条件下、アルコールと反応し、テトラヒドロピラニルエーテル(THPエーテル)を作ります。アルコールの保護に用いられます。ラクトン(環状エステル)形成ではありません。㋓ は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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