国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問32解説

 問 題     

次の反応 ㋐、㋑、㋒ の主生成物を、それぞれの a、b から選び出したものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

 ㋐ ㋑ ㋒
1.a a a
2.a b a
3.a b b
4.b a a
5.b b b

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
6 個の π 電子が関与する電子環状反応です。熱反応では逆旋的、光反応では同旋的です。「加熱」なので逆旋し、メチル基は「同じ側」になります。(メチル基が共に外に開いていて、それぞれを内側に巻き込むようなイメージです。)従って、a が主生成物です。

㋑ ですが
ヒドロホウ素化/酸化です。逆マルコフニコフ則に従います。すなわち、より置換基の少ない方に OH がつきます。主生成物は b です。

㋒ ですが
Wittig 反応です。Wittig 反応における立体選択性は、リンイリド側の安定性によります。カルボニル基が電子吸引性なので、安定イリドと考えられます。安定イリドとの反応では、E 体、trans 体が主生成物です。従って、主生成物は b です。

以上より、正解は 3 です。

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