国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問22解説

 問 題     

s‒ブロック元素に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ アルカリ金属の単体は一般に原子番号が大きいほど水との反応性が低くなる。
㋑ リチウムの単体を空気中で燃焼させたときの主生成物は酸化物 Li2O となるが、カリウムの
単体を空気中で燃焼させたときの主生成物は超酸化物 KO2 となる。
㋒ ベリリウムとマグネシウムの水酸化物は、アルミニウムの水酸化物と同様に両性であり、酸にも塩基にも溶解する。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

sーブロック元素とは
「第1、2族元素 + He」のことです。

㋐ ですが
アルカリ金属について、原子番号が大きいほどイオン化エネルギーが小さくなります。これは、最外殻電子がより中心から離れるため、原子核による束縛が小さくなるためです。これにより、水との反応性は一般的に大きくなると考えられます。㋐ は誤りです。

(公務員試験とは関係ないのですが「アルカリ金属+水」を題材にした2015 年の論文について、着眼点、装置、手法など、論文のタネは本当に身近にあると感じました。参考として紹介させてください。)

㋑ は妥当な記述です。
アルカリ金属の酸化物では、リチウムのみがふつうの酸化物、すなわち O2- を含む酸化物です。その他のアルカリ金属は、二酸化物イオン O2 を含む「超酸化物」を形成します。

㋒ ですが
ベリリウムの水酸化物は両性ですが、マグネシウムの水酸化物は両性ではありません。濃塩基に溶けません。㋒ は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

コメント