国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問63解説

 問 題     

食品に含まれる有害成分に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ キャッサバに含まれるリナマリンという青酸配糖体は、アルカリホスファターゼによる加水分解を受けて猛毒の青酸を生成する。青酸配糖体は脂溶性なので、キャッサバを加工する際、水洗だけでは十分に除去できない。

㋑ ワラビに含まれるプタキロシドという配糖体は、アルカリ条件下で毒性をもつ化合物へと変化する。ただし、あらかじめ重曹を含む熱湯で十分なあく抜きを行えば、通常の摂取量では問題とならない。

㋒ ジャガイモに含まれるビシン、コンビシンという配糖体は、中毒症状を引き起こす。発芽部分に多く含まれ、これらを除いて調理する必要がある。発芽を抑える放射線照射は我が国では許可されていない。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
リナマリンは「βーグルコシダーゼ」により加水分解されます。また、リナマリンは「水溶性」です。よって、㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
ビシン、コンビシンは、ソラマメに含まれる配糖体です。ジャガイモではありません。また、発芽を抑える放射線照射が行われています。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

コメント