国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問97解説

 問 題     

遺伝病に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ヒト1 〜4 のうち3 人がある遺伝病を発症している。この4 人に由来するゲノムDNA を用いて、原因遺伝子の第1 エキソンの塩基配列を決定した。なお、発症原因は、この第1 エキソンに特定されている。

表は、原因遺伝子の第1 エキソンのリファレンス配列及びこの4 人の塩基配列をまとめたものである。ATG は開始コドンであり、リファレンス配列と異なる塩基配列は下線で示した。このとき、遺伝病を発症していないのはヒト㋐である。また、遺伝病原因遺伝子変異をホモ接合に保有するのはヒト ㋑ である。この遺伝病の遺伝様式は ㋒ である。」

  ㋐ ㋑ ㋒
1. 1  3  劣性
2. 1  3  優性
3. 2  1  劣性
4. 2  1  優性
5. 2  3  優性

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

3人が遺伝病を発症していることから、変異が少ないヒト1かヒト2が遺伝病ではないと考えられます。

ヒト1に注目し、開始コドンから数えて3つ区切りで見てみると、コドンの 3 文字目が変異しています。コドンゆらぎにより、この変異は意味がない変異となっていると考えられます。従って、遺伝病を発症していないのはヒト 1 と考えられます。

ヒト 2 から、DNA の片方に変異が入っただけで発症することがわかります。従って、この遺伝病の遺伝形式は 「優性」です。また、ホモ接合に保有するのは、2本両方に変異があるヒト 3 です。

以上より、正解は 2 です。

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