国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問69解説

 問 題     

環境中における農薬の分解に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 大気中の有機リン系農薬は、主として光反応によって生じた OH ラジカルにより分解が促進される。
㋑ DDT は、好気的な畑土壌では長期間残留するが、嫌気的な水田土壌では脱塩素が生じ速やかに消失する。
㋒ 水に溶存している農薬の光分解速度を、河川水中と蒸留水中とで比較すると、蒸留水中の方が速い。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。
OH ラジカル生成といえば、フェントン反応が知られています。フェントン反応は過酸化水素から OH ラジカルを生成する反応です。
嫌気的脱塩素化は「バイオレメディエーション=生物による環境浄化技術」の一例として知られています。

㋒ ですが
一般的に、河川水中の方が速いです。微生物による活性化を受け、光分解が促進されると考えられます。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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