国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問68解説

 問 題     

脂肪族有機ハロゲン化合物に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 分子中に塩素を含有しているジクロロメタン、クロロホルム、1,1ージクロロエチレンは、いずれも、揮発性が高い、比重が水よりも小さい、可燃性が極めて高いといった性状を有する。

㋑ トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンは、ドライクリーニングの溶剤として使用されてきたが、土壌・地下水汚染が生じ、我が国では現在これらについて環境基準値が設定されている。

㋒ 1,1,1ートリクロロエタンは、大気中の寿命が極端に長く、オゾン層破壊物質であることから、我が国では特定フロン等と共に製造・使用が禁止されている。

㋓ 河川水の塩素処理の際、水中に含まれる有機物が塩素と反応して、トリハロメタンが生成することが確認されている。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒、㋓
3.㋑、㋒、㋓
4.㋑、㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

判断しやすいのは、㋓ ではないでしょうか。「塩素処理→有機物と反応→トリハロメタン生成」 という流れは妥当です。正解は 2,3,5 となり、㋒ は妥当とわかります。

㋐ ですが
塩素の原子量が 35.5 と大きいので、いずれも比重が水よりも大きそうと判断できる、という狙いの記述と思われます。㋐ は誤りです。これに伴い、㋑ は妥当とわかります。

以上より、正解は 3 です。

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