国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問65解説

 問 題     

土壌有機物に関する次の記述の㋐〜㋓に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「土壌有機物のうち未分解の生物遺体や既知の有機化合物を除く有機分子の集合体を腐植物質という。腐植物質のうち、アルカリ性で溶解し、酸性で沈殿する画分は㋐、酸性でもアルカリ性でも溶解する画分は㋑、酸性でもアルカリ性でも溶解しない画分はヒューミンと呼ばれている。黒ボク土において、有機物としての炭素蓄積量が多い要因の一つとして、腐植物質が、㋒と安定な複合体を形成し、分解されにくくなることが挙げられる。腐植物質含量の多い土壌ほど、陽イオン交換容量が㋓傾向がある。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐、㋑ ですが
「まずアルカリ溶液抽出して不溶な部分」が「ヒューミン」です。分子量がとても大きめです。次にアルカリで溶けた方を酸性にした時沈殿するのが「フミン酸」です。分子量が大きめです。最後に分子が小さめで、酸でも沈殿しないのが「フルボ酸」です。正解は 1 ~ 3 です。

㋒ ですが
腐植物質と複合体を形成するのは「アルミニウム」です。正解は 1 or 2 です。

㋓ ですが
陽イオン交換容量(CEC)は、土壌に吸着「できる」陽イオンの量です。㋒ の話もふまえれば、腐植物質が多いほど、陽イオンを吸着できる傾向にあると考えられます。㋓ は「大きい」です。

以上より、正解は 1 です。
参考 国家一般職 農学 H27no3H29no31

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