国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問64解説

 問 題     

低温における食品の貯蔵に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 冷蔵により、青果物の呼吸を完全に抑えることができるが、微生物の成育を完全に抑制することはできない。

㋑ ピーマンは、ある温度帯以下で冷蔵すると、ピッティングを起こす場合があり、このような品質劣化は低温障害と呼ばれる。

㋒ 食品の凍結の際には速やかに温度を下げ、最大氷結晶生成帯に温度を保つことが、解凍した際の品質の劣化を防ぐために重要となる。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
低温は、呼吸を「抑制」します。「完全に抑える」ではありません。よって、㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。
ピッティングとは、表層の陥没のことです。ピットが「穴」を意味します。

㋒ ですが
最大氷結晶生成帯は、氷結晶が大きくなりやすい温度帯のことです。通常、マイナス1℃~マイナス5℃までの温度帯を指します。急速冷凍により、この温度帯を「できるだけ避ける」ことが、凍結ー解凍に伴う品質劣化を防ぐことにつながります。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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