国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問63解説

 問 題     

油脂の水素添加反応に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「水素添加反応を施した油脂は、反応させる前と比べて、不飽和度が ㋐ する、融点が ㋑ する、流動性が低下するなど、その物性が変化する。一方、水素添加反応の副反応として、二重結合のシスートランスの異性化等が起こり、トランス脂肪酸が生成する。トランス脂肪酸は、反芻動物の肉や乳脂肪 ㋒。」

  ㋐  ㋑  ㋒
1.減少  上昇  には存在しない
2.減少  上昇  にも存在する
3.減少  降下  には存在しない
4.増加  降下  には存在しない
5.増加  降下  にも存在する

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

油脂の水素添加反応とは、不飽和部分の二重結合に水素を添加することで飽和させるという反応です。従って、不飽和度は「減少」します。また、融点は「上昇」します。正解は 1 or 2 です。

㋒ ですが
トランス脂肪酸は、マーガリン、乳製品、反芻動物の肉などに含まれます。「反芻動物」とあるのは、消化管内の微生物の働きによりトランス脂肪酸が作られるからです。

以上より、正解は 2 です。

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