国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問62解説

 問 題     

味覚に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 味を感じる味蕾(みらい)には、味覚の受容に働く亜鉛を含む酵素が存在しているため、亜鉛不足になると味覚感度が低下する。
㋑ グルタミン酸ナトリウムや核酸類が呈するうま味には、生体構成成分であるタンパク質の存在を知らせる役割があると考えられている。
㋒ 食品に含まれる微量の苦み成分には嗜好性を高めるものがあり、コーヒーに含まれるアルカロイドのカフェ酸やホップに含まれるリモニンなどが知られている。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。
亜鉛不足で味覚異常は有名な欠乏症です。
グルタミン酸はうまみ調味料として広く用いられています。

㋒ ですが
カフェ酸(コーヒー酸)は、C6-C3 部分構造を有する、フェニルプロパノイドの一種です。窒素を含んでおらず、アルカロイドの一種ではありません。また、リモニンは「柑橘類」に含まれる苦味成分です。ホップに含まれる苦味成分はフムロンが知られています。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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