国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問104解説

 問 題     

生物の個体群に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 産子数や性比の偶然の変動といった人口学的確率性は、小さなサイズの個体群で高くなる。
㋑ 個体群のサイズが小さくなると、集団内の遺伝的多様性が低下し、環境の変化に適応しにくくなる。
㋒ 個体群のサイズが小さくなると、近親交配により劣性有害対立遺伝子のヘテロ接合体が生じやすくなる。
㋓ 同所的に存在する複数種の個体群の間で密接な相互作用があるとき、全体をまとめてメタ個体群と呼ぶ。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋑、㋒
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒、㋓
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
「近親交配により」ということは、同種の遺伝子同士を子孫が有しやすくなっています。従って、劣性有害対立遺伝子の「ホモ」接合体が生じやすくなる と考えられます。よって、㋒ は誤りです。

㋓ ですが
メタ個体群とは、局所的集団が多数集まり、それぞれの局所的集団は生成と消滅を繰り返しながらも存続している個体群モデルのことです。 記述は「異種個体群」についてです。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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