国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問103解説

 問 題     

植物の受粉と送粉者に関する記述 ㋐〜㋓ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 風で花粉が運ばれる風媒花を作る種の数は、裸子植物よりも被子植物の方が多い。
㋑ シダ植物の有性生殖は、胞子が風により運ばれる風媒であり、昆虫などの動物の働きを必要としない。
㋒ 自家受粉によってできた種子に由来する個体では、生存率や成長速度などが低下する自家不和合性がしばしば見られる。
㋓ バラ科の果実、ウリ科やナス科の果菜類などで多く見られる訪花昆虫による送粉は、生態系サービスの一つである。

1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
風媒花といえば「多くの裸子植物が風媒花」という知識があるかもしれません。ただ、そもそも被子植物の種の数が、裸子植物の数百倍であるため、被子植物の方が多くなります。

㋑ ですが
シダ植物の有性生殖は、胞子が「水」により運ばれる水媒です。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
自家不和合性とは、被子植物の「自家受精を防ぐ」遺伝的性質の総称です。自家不和合性が見られるのは他家受粉する個体です。よって、㋒ は誤りです。

㋓ は妥当な記述です。

以上より、正解は 2 です。

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