国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問58解説

 問 題     

予防接種に用いられるワクチン類に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 弱毒生ワクチン(生ワクチン)は、発病しない程度に病原性を弱めた病原体を用いる。体内で病原体は増殖し、軽度の感染を起こして免疫を作る。この種のワクチンを用いる対象疾病として麻疹、風疹などがある。

㋑ 不活化ワクチンは、病原体をホルマリン等で処理し、毒性を消失又は病原性を無毒化したものを用いる。接種後、長期にわたって免疫が維持されることから、通常、繰り返し接種は不要である。この種のワクチンを用いる対象疾病として日本脳炎、結核などがある。

㋒ トキソイドは、病原体の産生する毒素をホルマリン等で処理して無毒化したものを用いる。より安全性を高めるためにカルシウム塩等のアジュバントを使用した沈降ワクチンがある。この種のトキソイドを用いる対象疾病としてジフテリア、破傷風がある。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
不活化ワクチンは、一般的に繰り返し接種が必要です。また、結核の予防接種は「弱毒生ワクチン」です。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
アジュバントとして用いられるのは「アルミニウム塩」等です。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。
参考 衛生薬学 3-2 2)

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