国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問57解説

 問 題     

天然に存在する毒素に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ フグ毒の本体はテトロドトキシンであり、海洋細菌が産生した毒素がフグの卵巣や肝臓等に蓄積したものである。摂取すると呼吸麻痺等を起こして死亡する場合もある。

㋑ チョウセンアサガオやハシリドコロには、アトロピンやスコポラミン等のベラドンナアルカロイドが含まれている。誤食すると、散瞳、口渇、幻覚等の精神症状等が現れる。

㋒ ジャガイモの芽や緑皮部に多く含まれるソラニンは、アセチルコリンの遊離を非可逆的に阻害する。水溶性で熱に対して比較的安定であり、消化管から吸収されやすいため、微量でめまいや呼吸困難等を引き起こす。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
ソラニンは、「コリンエステラーゼ阻害作用」を有します。激しい下痢等がおきます。「アセチルコリン遊離阻害」ではありません。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。
参考 衛生薬学 1-3 3)

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