予防接種

予防接種とは、疾病に対して免疫の効果を獲得させるために、疾病の予防に有効であると確認されているワクチン(抗原)を人に注射、接種することです。

ワクチンは大きく3つに分類されます。弱毒生ワクチン、死菌(不活化)ワクチン、トキソイドの3つです。弱毒生ワクチンとは、生きたウイルスを、無害化させたり、病原性を低下させて作ったワクチンです。弱毒化は、具体的には、普通なら感染しないような宿主に感染させたりすることで弱毒化させます。

すなわち、普通なら感染しない宿主にウイルスを感染させると、その環境で生き残るために、ウイルスは変異を生じます。この変異ウイルスは、改めて宿主に感染させると、あまり増殖しなくなることがあります。つまり、弱毒化したということです。弱毒生ワクチンの例は、結核(BCG)、~疹(麻疹、風疹)です。

死菌(不活化)ワクチンは、ウイルスを殺して作るワクチンです。死菌(不活化)ワクチンの例はポリオ、インフルエンザ、B型肝炎、百日ぜきです。

トキソイドとは、不活化ワクチンの一種です。特に、細菌の出す毒素を取り出し無毒化したものを、トキソイドと呼びます。トキソイドの例は、破傷風とジフテリアです。3種混合ワクチン(百日ぜき、破傷風、ジフテリア)は、不活化ワクチンとトキソイドを混ぜたものです。

予防接種に関する法律として予防接種法があります。その中で、予防接種の対象疾病は、一類疾病と二類疾病に分類されています。

一類疾病に対する予防接種の主な目的は集団予防です。ジフテリアなどの計8疾病が対象です。二類疾病に対する予防接種の主な目的は個人予防です。インフルエンザのみの、計1疾病が対象です。予防接種には義務はありません。一類疾病の定期接種は、受けるよう努めなければならないという努力義務となっています。

ジフテリア、百日ぜき、破傷風のワクチンは、1歳半までに計4回接種します。ポリオは1歳半までに2回接種します。麻しん、風疹は混合ワクチンで、1歳から2歳までに1回と小学校に入る前に1回うけます。結核は BCG ワクチンを、生後6ヶ月までの期間に接種します。

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