国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問33解説

 問 題     

次の ㋐、㋑、㋒ を収率良く進行させるためにより適した反応条件を、それぞれの a、b から選び出したものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ ㋑ ㋒
1. a a b
2. a b b
3. b a a
4. b a b
5. b b a

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
cis に 水素付加させたいのであれば、Lindlar 触媒です。液体アンモニアでできるのは、trans 水素付加体です。㋐ は b です。

㋑ ですが
a がライマー・チーマン反応です。フェノールのオルト位にホルミル基を導入する反応です。b はフェノールにホルムアルデヒドなので、樹脂生成の反応条件と考えられます。妥当なのは a です。

㋒ ですが
[2+2] 付加環化です。2つの二重結合の HOMO-LUMO を考えれば、片方の HOMO は結合性で同位相、他方の LUMO は反結合性で異位相です。従って、そのままではうまく結合生成が進まないと考えられます。光で一方が励起した状態であれば、うまく反応が進行します。そのため、光条件、すなわち b が妥当と考えられます。

以上より、正解は 4 です。

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