国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問27解説

 問 題     

図のように、半径がそれぞれ rA、rB(rA > rB)の球形の微小水滴 A、B がある。これらの水滴に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「水滴 A 及び B の内圧 PA、PB については、 ㋐ の関係がある。また、A 及び B が、それぞれ気相と平衡になっている状態を考えると、気相の水蒸気分圧すなわち、平衡蒸気圧 pA、pB については、 ㋑ の関係がある。したがって、これら二つの水滴を閉鎖された環境に放置しておくと、蒸発・凝縮によって、㋒。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

内圧と外圧の差が ΔP = 2γ/r (γ は表面張力)です。つまり、r が小さいほど、内圧が高いといえます。PA < PB です。正解は 3 ~ 5 です。

PB の方が内圧が高いので、平衡蒸気圧 pB の方が高いと考えられます。言い換えると、半径が小さい水滴の方が不安定といえます。系は安定な方へと進行するため、蒸発・凝縮を繰り返すことで B 中の水が A へと移動していくと考えられます。結果として、 B が消失し、一つの水滴のみとなります。

以上より、正解は 5 です。
類題 100-199

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