国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問19解説

 問 題     

気相単分子反応に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「気相単分子反応 A → P では、次のように気体分子 A どうしの衝突でできた活性種 A* が関与することが知られている。

A* の生成速度に定常状態近似を適応して P の生成速度式を求めると、d[P]/dt = ㋐ となる。この反応の A に対する反応次数については、A の濃度が十分低いときは ㋑ と近似でき、A の濃度が十分高いときは ㋒ と近似できる。」

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

反応式から、A* の反応速度に注目すると

定常状態近似というのは、中間体の濃度が変わらないという仮定です。これにより、d[A*]/dt =  0 とおけます。また、d[P]/dt = k2[A*] です。

㋐ ですが

です。正解は 2 or 3 です。

A の反応速度 は、P の反応速度と符号が逆なだけなので、反応速度の次数は同じです。そこで、㋐ の答えの式において、A の濃度が低い時、高い時の近似を考えます。

[A] が低い場合、分母の k-1[A] を無視して k2 × k1[A]2/k2 = k1[A]2 と考えられます。2次反応です。

一方、[A] が高い場合、分母の k2 を無視して k2 × k1[A]2 /k-1[A] = k2 × k1 [A]/k-1 と考えられます。1 次反応です。

以上より、正解は 3 です。
類題 H26no19

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