問 題
気相単分子反応に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「気相単分子反応 A → P では、次のように気体分子 A どうしの衝突でできた活性種 A* が関与することが知られている。
A* の生成速度に定常状態近似を適応して P の生成速度式を求めると、d[P]/dt = ㋐ となる。この反応の A に対する反応次数については、A の濃度が十分低いときは ㋑ と近似でき、A の濃度が十分高いときは ㋒ と近似できる。」
正解.3
解 説
反応式から、A* の反応速度に注目すると
定常状態近似というのは、中間体の濃度が変わらないという仮定です。これにより、d[A*]/dt = 0 とおけます。また、d[P]/dt = k2[A*] です。
㋐ ですが
です。正解は 2 or 3 です。
A の反応速度 は、P の反応速度と符号が逆なだけなので、反応速度の次数は同じです。そこで、㋐ の答えの式において、A の濃度が低い時、高い時の近似を考えます。
[A] が低い場合、分母の k-1[A] を無視して k2 × k1[A]2/k2 = k1[A]2 と考えられます。2次反応です。
一方、[A] が高い場合、分母の k2 を無視して k2 × k1[A]2 /k-1[A] = k2 × k1 [A]/k-1 と考えられます。1 次反応です。
以上より、正解は 3 です。
類題 H26no19
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