国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問103解説

 問 題     

地球規模の炭素動態に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうちから、妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。

㋐ 地球表面に貯留されている炭素のうち、大気中に存在する量は海洋中に存在する量より多い。
㋑ 陸域に貯留されている炭素のうち、土壌中に存在する量は植生中に存在する量より多い。
㋒ 産業革命以降、森林伐採などの土地利用変化に由来する CO2 の排出量は、化石燃料に由来
する CO2 の排出量の 1/10以下である。

1. ㋐
2. ㋑
3. ㋒
4. ㋐ ㋒
5. ㋑ ㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ ですが
海洋中の方が大量です。大気中の炭素といえば CO2 を連想すると思われます。海水にも大量の CO2 が溶け込んでいることから判断できるのではないでしょうか。記述 ㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。
ちなみに、土壌が植物に蓄積されている量の約 4 倍と見積もられています。ただし、熱帯林では同程度とされています。

㋒ ですが
気象庁 HP によれば、人為起源二酸化炭素に関して、森林伐採などの土地利用変化に由来する CO2 の排出量の割合は およそ 10 % です。化石燃料由来が 7 割弱なので、1/10 以下ではないと考えられます。記述 ㋒ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

参考)

㋑について
https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/63/04-09.html
国立環境研究所 

㋒について
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html

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