国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問102解説

 問 題     

表は、ある地域で調査した結果に基づいて作成した、ある動物のコホート生命表である。この動物の個体群に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうちから妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。

㋐ この動物1個体が一生涯に平均して産む子の数は 10.843 個体である。
㋑ この動物の繁殖開始齢は1才であり、この生命表から計算される世代時間は約 2.49 年である。
㋒ この動物の個体群の内的自然増加率は 0.955 であり、1より小さいので、他からの個体の移
入がないとすれば個体群サイズは減少すると予想される。

1. ㋐
2. ㋑
3. ㋒
4. ㋐ ㋑
5. ㋑ ㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

ある動物が 1000 個体と仮定します。1 歳になると 210 個体生存しており、その 210 個体が 1個体あたり 1.143 個体出生する、という意味になります。

㋐ ですが
1000 個体いたとして、1歳時まで生き残るのが 210 個体で 1.143 出生すれば 210 × 1.143 生まれます。以下、2 歳時では 150 体が 1.917 出生なので、150 × 1.917,,, これを 5 歳まで足せばよいです。955 個体出生することになります。つまり、1000 個体いたら、一生涯で 955個体出生しています。よって、1個体あたりであれば 0.955 と考えられます。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当な記述です。
平均世代時間とは、親の誕生から子の誕生までの平均経過時間のことです。2.376 ÷ 0.955 ≒ 2.49 です。

㋒ ですが 0.955 は「純増殖率」です。「内的自然増加率」ではありません。記述㋒は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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