てんかんの病態生理、治療薬、注意点

てんかんとは、慢性の脳疾患であり、脳細胞ネットワークにおける異常な興奮のことです。大脳ニューロンの過剰な放電に由来する反復性の発作が主な症状です。てんかんの原因は、脳細胞ネットワークにおける異常な興奮であり、原因遺伝子がいくつか特定されています。

てんかんは、発作の焦点により、部分発作全身発作に分類されます。部分発作はさらに、単純部分発作と、複雑部分発作に分類されます。単純部分発作と複雑部分発作の違いは、意識障害を伴うかどうかです。単純部分発作は、意識障害を伴いません。複雑部分発作は、意識障害を伴います。

全身発作はさらに、大発作(強直(きょうちょく)間代(かんたい)発作)、小発作(欠神(けっしん)発作)、ミオクローヌス発作の3つに分類されます。

大発作は、突然の意識消失とともに、全身性の強直性(体がこわばる感じ)・間代性(間をおいて繰り返す)けいれんがおきます。重篤な大発作は、意識消失とけいれんをくりかえす発作であり、てんかん重積と呼ばれます。てんかん重積の第一選択薬は、ジアゼパム静注です。小発作(欠神発作)は、瞬間的な欠神(5~10秒の意識消失)が1日に数回おこります。ミオクローヌス発作は、意識障害のない全身発作のことです。

全身発作の第一選択薬はバルプロ酸ナトリウムです。部分発作の第一選択薬はカルバマゼピンです。注意点として、妊婦にトリメタジオンは禁忌です。その他の抗てんかん薬は、利益優位ならば使用可能です。治療薬について、詳しいことは薬理学まとめ 2-1 4)参照

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