パーキンソン病の病態生理、治療薬、注意点

パーキンソン病とは、神経系が徐々に変性していく病気です。その結果、ドパミンの欠乏と相対的コリン作動性神経の緊張増加をきたす疾患です。原因は、遺伝子異常やミトコンドリアの機能障害が関与していることがわかっていますが、明確な原因はわかっていません(2019年時点)。

パーキンソン病は、特発性と続発性に分類されます。特発性は、原因不明のパーキンソン病です。続発性は、脳血管障害や、薬剤性のパーキンソン病のことです。

初期症状は、震え、歩行障害などです。無動、振戦、筋固縮が三大主徴と呼ばれます。症状は、Hoehn and Yahr(ホーン&ヤール)の重症度分類により、StageⅠから V まで分類されます。

治療薬は、薬理学まとめ 代表的な中枢神経疾患の治療薬 参照

注意点としては、勝手な減薬や服薬中止はいけません。悪性症候群という副作用のおそれがあるためです。悪性症候群とは、高熱、意識障害、振戦・筋固縮といった錐体外路症状を伴う思い副作用の総称です。抗パーキンソン病治療薬を服薬している時に、38.5℃ 以上の熱が出たら、特に注意が必要です。悪性症候群の治療薬としては、ダントロレン、ブロモクリプチンが用いられます。

又、レボドパ長期使用患者においては、薬の効きが悪くなってきます。wearing-off現象,on-off現象に注意が必要です。wearing-off 現象とは、薬効の持続時間が短くなる現象です。服薬の回数を増やすことで対応します。1 日 6 回服薬(4時間ごと)といった服薬も珍しくなく、コンプライアンスの向上に工夫が求められます。具体的には薬箱の利用などが挙げられます。

on-off 現象とは、薬を飲む時間に関係なく、突然動きがよくなったり、悪くなったりする現象です。車の運転などをする人にこの現象が出てきたら、注意が必要です。運転を避けるよう勧める必要があります。

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