膵炎の病態生理、治療薬、注意点

膵炎とは、膵臓における炎症です。膵炎は、大きく急性膵炎と慢性膵炎に分類されます。

急性膵炎とは、何らかの原因により、膵臓の消化酵素による自己消化がおきてしまうことです。急性膵炎の主な病因は、大きく4つあります。アルコール多飲(男性に多い)、胆石症(女性に多い)、特発性(つまり、原因不明)、その他の原因の4つです。これらの原因によって、本来ならば消化管に排出されてから活性化される消化酵素が、膵臓において活性化してしまい、それによる膵臓の自己消化がおきてしまいます。

治療は、絶飲、絶食の上、薬物治療を行います。主な治療薬については、薬理学まとめ 膵臓疾患治療薬 参照

慢性膵炎とは、何らかの原因により、慢性的炎症が膵臓において持続し、その結果、膵臓が非可逆的な繊維化をおこしてしまうことです。慢性膵炎の経過は、3段階に分類されています。初期から、急性再燃期→間欠期→非代償期と呼ばれます。非代償期まで進行してしまうと、膵臓における内分泌機能の不全に伴うインスリン分泌の不足が引き起こされます。その結果、合併症として糖尿病が発症することがあります。

治療は、病因がアルコールなら禁酒、胆石なら胆石除去を行います。主な治療薬については、薬理学まとめ 膵臓疾患治療薬 参照

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