肝炎、肝硬変の病態生理、治療薬、注意点

肝炎とは、肝臓における炎症です。肝炎は、原因によって大きく、感染症肝炎と非感染症肝炎に分類されます。

感染症肝炎の原因は、肝炎ウイルスです。肝炎ウイルスは A 型、B 型、C 型に分類されます。A,C 型は RNA ウイルス、B 型は DNA ウイルスです。非感染症肝炎は更に、アルコール性肝炎、薬物性肝炎、自己免疫性肝炎などに分類されます。

又、経過から急性肝炎と慢性肝炎に大きく分類されます。更に、急性肝炎の中でも特に重症なものを劇症肝炎と呼びます。

急性肝炎とは、肝炎のうち主に1~2ヶ月で治るような肝炎のことです。慢性肝炎とは、6ヶ月以上肝機能検査の異常とウイルス感染が持続している状態のことです。劇症肝炎とは、急激な肝不全症状が、肝炎発症後 2 ヶ月以内に現れる病態のことです。

A 型急性肝炎の主な原因は、主にカキなどの魚介類の摂取による経口感染です。ほとんど自然治癒する上に、一度感染すれば終生免疫を獲得するため、劇症化しなければあまり恐れる必要がない疾患です。

B 型急性肝炎の主な原因は、血液や体液を通じた感染です。母から新生児への垂直感染や、性行為、針刺し事故、輸血などが具体的な理由になります。B型肝炎ウイルス(HBV:Hepatitis B Virus)に感染すると、抗原はHBs → HBe → HBc の順に、血液検査により陽性になります。抗体は、HBc → HBe → HBs の順に、血液検査により陽性になります。治療薬としては、グリチルリチン酸や、ウルソデオキシコール酸が用いられます。

C 型急性肝炎の主な原因は、血液を介した感染です。70 %ほどのケースで慢性化するという特徴があります。C 型急性肝炎は、慢性化を防ぐことが治療の主眼となります。

B 型慢性肝炎の主な原因は、出産時の感染です。治療の目的はウイルスの増殖を抑制するとともに、肝炎の鎮静化を実現することです。治療には、インターフェロン、抗ウイルス薬であるラミブジンやエンテカビルが用いられます。対症療法として、グリチルリチン酸やウルソデオキシコール酸も用いられます。

C 型慢性肝炎の主な原因は、急性肝炎後の慢性化です。長時間かけて、肝硬変や肝臓がんへ進行する可能性がある疾患です。治療の目的は、ウイルスの排除、重篤な肝疾患への進展阻止です。治療には、インターフェロン、リバビリンなどが用いられます。リバビリンは、インターフェロンと必ず併用で用います。リバビリンは妊婦に禁忌であることに加え、精液移行性があるため、男性のパートナーが服薬している時には避妊が必要になる点に、注意が必要です。対症療法として、グリチルリチン酸やウルソデオキシコール酸も用いられます。又、小柴胡湯も用いられますが、インターフェロンとの併用は、間質性肺炎が副作用として報告されており、禁忌であることに注意が必要です。近年、新しい抗ウイルス薬が出てきて、インターフェロンフリーの選択肢が増えています。

アルコール性肝炎は、アルコールの過剰摂取が原因です。生活習慣の改善、具体的には禁酒を試みることで対応します。

薬剤性肝障害は、あらゆる薬剤が原因となる可能性があります。肝細胞障害型、胆汁うっ滞型、混合型の3つに大きく分類されます。主な起因薬物として、アセトアミノフェン、ハロタン、クロルプロマジン、アンピシリンなどが知られています。

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