腸炎の病態生理、治療薬、注意点

腸炎とは、小腸及び大腸の炎症の総称です。腸炎は、大きく感染性と非感染性に分類されます。

感染性腸炎の原因としては、細菌、真菌、ウイルスなどが挙げられます。下痢などがおきます。治療には、ニューキノロン系抗菌薬や、ホスホマイシンの投与を行います。整腸剤も用いられます。※止瀉薬の使用は避けるべきです。

非感染性腸炎の代表例は、クローン病、潰瘍性大腸炎です。

クローン病とは、消化管全体をおかす炎症性病変です。潰瘍病変は粘膜のみではなく、腸壁筋層の深さまでお呼びます。好発年齢が 20 代の、難治性腸疾患です。特定疾患に指定されています。原因は不明です。治療薬としてステロイド、メサラジン、インフリキシマブが用いられます。(2012.6月時点)

潰瘍性大腸炎は、直腸、S 字結腸にはじまり、全大腸に及ぶ、びらんと潰瘍形成が主徴である炎症性疾患です。潰瘍病変は、筋層に届くまで深くはないという特徴があります。特定疾患に指定されています。症状は、粘り気ある、血便、腹痛などです。20 歳代の発症が最も多い疾患です。治療薬としてステロイド、サラゾスルファピリジン、メサラジン、インフリキシマブが用いられます。(2012.6月時点)

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