問 題
高度な徐脈を認める高血圧症患者(但し、他に合併症、臓器障害を有さない)に対して、使用すべきでない降圧薬はどれか。1つ選べ。
- リシノプリル水和物
- アムロジピンベシル酸塩
- アテノロール
- トリクロルメチアジド
- オルメサルタンメドキソミル
正解.3
解 説
選択肢 1 ですが
リシノプリルは、ACE 阻害薬です。咳や浮腫が主な副作用です。妊婦禁忌の薬です。徐脈を認める高血圧患者に対し使用すべきでないとは、いえないと考えられます。選択肢 1 は、誤りです。
選択肢 2 ですが
アムロジピンは、ジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬です。顔面紅潮、歯肉増生などが主な副作用です。ジルチアゼムなどの非ジヒドロピリジン系 に分類される Ca 拮抗薬では、心抑制のため高度の徐脈に対して禁忌です。
しかし、アムロジピンなどのジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬は血管選択性が高く、むしろ強力な降圧に伴う頻脈傾向が見られることがしばしばあります。従って、徐脈を認める高血圧患者に対し使用すべきでないとは、いえないと考えられます。選択肢 2 は、誤りです。
選択肢 3 は、正しい記述です。
アテノロールは、β 遮断薬です。主な副作用は、徐脈、喘息発作、心不全の増悪 などです。高度な徐脈がさらに悪化するおそれがあり使用すべきでは、ありません。
選択肢 4 ですが
トリクロルメチアジドは、サイアザイド系利尿薬です。低 Na ,低 K 血症 などが、主な副作用です。徐脈を認める高血圧患者に対し使用すべきでないとは、いえないと考えられます。選択肢 4 は、誤りです。
選択肢 5 ですが
オルメサルタンは、AT1 受容体拮抗薬です。比較的副作用の少ない薬です。徐脈を認める高血圧患者に対し使用すべきでないとは、いえないと考えられます。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
類題 105-254255
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