薬剤師国家試験 第108回 問38 過去問解説

 問 題     

LDL 受容体に対するプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン 9 型 (PCSK9) の結合を阻害する脂質異常症治療薬はどれか。1 つ選べ。

  1. コレスチミド
  2. エゼチミブ
  3. ロミタピド
  4. エボロクマブ
  5. ロスバスタチン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
コレスチミドは陰イオン交換樹脂です。(参考 104-160)。LDL 受容体に対する PCSK9 の結合を阻害するわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
エゼチミブ(ゼチーア)は、小腸コレステロールトランスポーター(NPC1L1)阻害薬です。(参考 104-160)。LDL 受容体に対する PCSK9 の結合を阻害するわけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ロミタピド(ジャクスタピッド)は、高脂血症治療薬です。適応はホモ接合体家族性高コレステロール血症です。ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)を阻害することにより脂質転送を阻害し、結果として血漿中 LDL-C 濃度が低下します。(106-37)。LDL 受容体に対する PCSK9 の結合を阻害するわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
エボロクマブ(レパーサ)は、ヒト抗 PCSK9 モノクローナル抗体製剤です。LDL 受容体分解促進タンパク質である PCSK9 に高い親和性を示し、PCSK9 の LDL 受容体への結合を阻害します。この結果、LDL 受容体の分解を抑制します。(106-260261)。

選択肢 5 ですが
ロスバスタチンは、スタチンです。HMG-CoA 還元酵素阻害薬です。(参考 106-252253)。LDL 受容体に対する PCSK9 の結合を阻害するわけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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