99回薬剤師国家試験 問109解説

 問 題     

強心配糖体ジギトキシンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アグリコンであるジギトキシゲニンはイソプレノイド経路で生合成される。
  2. 構成糖は、2,6-ジデオキシ糖のD-ジギトキソースである。
  3. 17位にβ,γ-不飽和5員環ラクトンが結合したカルデノリド類である。
  4. ステロイド骨格のA/B環、B/C環、及びC/D環はいずれもtrans配置である。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1,2 はその通りの記述です。

選択肢 3 ですが
これは、α-β-不飽和です。β-γ では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
A/B、B/C、C/D が、cis か trans かを判断するためには環の境目に注目します。A/B において、境目の C-C 結合からは CH3 と H が、共に同じ方向に飛び出ています。つまり、cis です。よって、選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

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ちなみに、仮にこの試験を受けていたら、本番の机上において選択肢 1,2 の正誤を少なくとも 本ページ作成者は 判断出来なかったと思います。(いや、こんなん知らね~ 汗と、ヒヤヒヤしつつ次の選択肢に救いを求めたと想定されます。)

この問題は、選択肢 3 及び 4 において有機化学的な、位置番号についての知識 及び立体構造に関する知識、把握力 を確認するのが目的であり、1,2 を知識として聞いているわけではないのだろうと感じました。過去問を勉強する際「ジギトキシゲニンの事とか、ジギトキソースとかまで覚えなきゃいけないの・・・」 と感じる必要はないと思います。と、私見をここで述べておきます。

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