薬剤師国家試験 第99回 問63 過去問解説

 問 題     

骨粗しょう症の治療薬のうち、エストロゲン受容体に直接作用する薬物はどれか。1 つ選べ。

  1. デノスマブ
  2. テリパラチド
  3. イプリフラボン
  4. ラロキシフェン塩酸塩
  5. アルファカルシドール

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
デノスマブ(プラリア)は、2013/3/25 製造承認取得の骨粗鬆治療薬です。用法・用量が、6ヶ月に1回であることが特徴です。RANK リガンド という、破骨細胞の形成などに重要な役割を果たすタンパク質に対して働くヒト型モノクローナル抗体です。エストロゲン受容体が標的ではないため選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
テリパラチド(フォルテオ(毎日)、テリボン(週一回))は、遺伝子組換え副甲状腺ホルモン誘導体です。この薬は、骨芽細胞の働きを高める骨形成促進剤です。エストロゲン受容体が標的ではないため選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
イプリフラボンは、骨に直接作用して骨吸収を抑制するとともに、エストロゲンのカルシトニン分泌促進作用を増強することで骨吸収を抑制します。エストロゲン受容体が標的ではないため選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は正しいです。
ラロキシフェン(エビスタ)は、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM:selective estrogen receptor modulator)です。標的は、エストロゲン受容体です。

選択肢 5 ですが
アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロール)は、活性型ビタミン D3 製剤です。エストロゲン受容体が標的ではないため、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。
類題 105-300301
参考 病態・薬物治療学まとめ 骨粗しょう症の病態生理、治療薬、注意点

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