薬剤師国家試験 第98回 問188 過去問解説

 問 題     

アトピー性皮膚炎及びその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 非免疫学的要因として、皮膚バリアー機能の低下がある。
  2. 血清IgG値が増加する。
  3. アゼラスチン塩酸塩錠では、眠気を起こさない。
  4. タクロリムス水和物軟膏が、使用できる。
  5. 重症例では、タクロリムス水和物カプセルの内服を行う。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 はその通りの記述です。

アトピー性皮膚炎において上昇するのは、IgE 値です。IgG ではないので、選択肢 2 は誤りです。

アゼラスチンは、第二世代抗ヒスタミン薬です。第一世代と比較して眠気が出にくい薬ですが眠気を起こさないわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 はその通りの記述です。
塗り始めに、ヒリヒリ感がかなりの確率でおこりますが、たいてい一時的で、1週間もすれば軽くなります。そのため、そういった症状が出ることを伝えると共に、薬の使用を継続するよう指導する事が必要です。

タクロリムス水和物カプセルは、移植時の免疫抑制に使用されます。重症アトピー性皮膚炎には適用がありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

コメント