薬剤師国家試験 第97回 問163 過去問解説

 問 題     

非ステロイド性抗炎症薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. メロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)よりCOX-1に対して強い阻害作用を有し、胃腸障害を起こしやすい。
  2. アスピリンは、COX-2をアセチル化により選択的に阻害するため、胃粘膜刺激作用は弱いが、ぜん息発作を誘発することがある。
  3. ジクロフェナクは、強い抗炎症作用を有するが、中枢性の副作用は極めて弱い。
  4. メフェナム酸は、生体内で活性型に代謝され、COX-2を選択的に阻害する。
  5. セレコキシブは、COX-1とCOX-2に対し強い阻害作用を有し、心血管障害を起こしやすい。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

メロキシカムは、COX-2 選択的阻害薬です。胃障害が比較的少ないことが特徴です。又、半減期が長く1日1回の服用でよいという特徴があります。よって、胃腸障害を起こしやすいわけではないので選択肢 1 は誤りです。

アスピリンは、サリチル酸系 NSAIDs です。COX をアセチル化することで、不可逆的に阻害します。よって、COX-2を選択的に阻害するわけではないので、選択肢 2 は誤りです。選択肢 1 と 2 は、薬物が逆になっている記述と考えられます。

ジクロフェナクは、インドメタシン類似 NSAIDsです。中枢性副作用が少ないという特徴があります。

メフェナム酸は、フェナム酸系 NSAIDsです。プロドラックではないし、COX-2を選択的に阻害するというわけでもありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

セレコキシブは、選択的COX-2阻害薬です。よって、COX-1に対してはほぼ作用しません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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