薬剤師国家試験 第97回 問40 過去問解説

 問 題     

DNAトポイソメラーゼⅠを阻害して抗悪性腫瘍作用を示すのはどれか。1つ選べ。

  1. ネダプラチン
  2. ブレオマイシン
  3. メルカプトプリン
  4. イリノテカン
  5. マイトマイシンC

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

トポイソメラーゼ阻害薬は、抗腫瘍植物アルカロイドの一種です。代表例としては、トポイソメラーゼ I を阻害するイリノテカンが挙げられます。

以上より、正解は 4 です。

ちなみにネダブラチンは、白金製剤です。DNA に架橋を形成することで DNA 複製や RNA 合成を抑制します。

ブレオマイシンは、抗腫瘍抗生物質です。金属イオンを補因子としてキレートし、分子状酸素を活性化することでフリーラジカルを作ってDNAを損傷すると考えられています。(ちなみに、「フリーラジカルを介してDNA損傷」という機構がすごく乱暴に感じたので「頭にブ」がつく抗ガン剤は「無礼者→フリーラジカル」と、僕は覚えていました。覚えるきっかけになると幸いです。)

メルカプトプリンは、代謝拮抗薬です。プリン環を保つヌクレオシド(アデニン、グアニン)類似物質です。DNA,RNA の生合成を阻害します。

マイトマイシンは、抗腫瘍抗生物質です。DNA 間に架橋を形成し、DNA 複製を阻害します。

類題 102-264-267

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