97回薬剤師国家試験 問11解説

 問 題     

ホルモンとその作用との対応のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. ガストリン    胃酸分泌の抑制
  2. セクレチン    HCO3を多く含む膵液の分泌促進
  3. カルシトニン   血中Ca2の減少
  4. インスリン    血中グルコースの減少
  5. アルドステロン  腎臓におけるNa及びClの再吸収促進

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

ガストリンは、胃幽門部(出口の方)G 細胞から分泌されるホルモンで、胃酸分泌を促進し消化を助けます。

セクレチンは、十二指腸の S 細胞から分泌されるホルモンで、膵液の分泌を促進させるホルモンです。

カルシトニンは、血中の Ca2+ 濃度を低下させるホルモンです。分泌は甲状腺傍ろ胞細胞が行います。Ca2+ 濃度の低下は、骨吸収(骨 = Ca 貯蔵庫から血中への Ca 移動)の抑制により実現されます。

インスリンは、血糖が上がった時に分泌されるホルモンで、血中グルコース濃度を減少させます。

アルドステロンは、腎臓の遠位尿細管において Na+ の再吸収を促進させることにより、血中Na+ 濃度を上昇させるホルモンです。又、遠位尿細管における Na+ の輸出機構は Na+ /Clー 共輸送であるため、Na+ の再吸収を促進させることは同時に Clー の再吸収を促進させることになります。

以上により、正解は選択肢 1 です。

参考 生化学まとめ 血糖の調節機構体液の調節機構消化、吸収におけるホルモンの役割 

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