体液の調節機構

体重の60%は水であり、様々な電解質が含まれています。この水はさらに、細胞内の水と、細胞外の水に分類されます。細胞内の水が体重の約40%、細胞外の水が体重の約20%です。

体液中の電解質は、アルドステロン、心房性ナトリウム利尿ペプチド、カルシトニン、パラトルモン、レニンといった因子により高度に調節されます。又、血液の pH は 7.35~7.45 という極めて狭い範囲に維持されています。


アルドステロン

Na+ を貯留させるホルモンです。具体的には、腎臓の遠位尿細管における Na+ の再吸収を促進させることで、血中 Na+ 濃度を上昇させます。

又、K+ 排出を促進させます。これは Na+ 再吸収と同時に行われる K+ の尿細管への分泌の結果です。この結果、尿として排出される K+ が多くなり、K+ 排出が促進されます。

心房性ナトリウム利尿ペプチド
強い Na+ 利尿効果をもつペプチドです。Na+ 利尿は、尿量の増加により実現されます。この結果、体液量が減少するため、血圧は下がることになります。

カルシトニン
血中の Ca2+ 濃度を低下させるホルモンです。分泌は甲状腺傍ろ胞細胞が行います。これは骨吸収の抑制により実現されます。

パラトルモン
血中の Ca2+ 濃度を上昇させるホルモンです。分泌は副甲状腺が行います。これは骨吸収の促進により実現されます。

レニン
アンギオテンシン系を活性化させ、Na+ の濃度を増加させます。これにはアルドステロンも関与します。Na+ 濃度の増加は、Na+ と水の遠位尿細管における再吸収の促進をはじめとした様々な経路を介して実現されます。

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