107回薬剤師国家試験 問189解説

 問 題     

緑内障に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 緑内障は、眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない。
  2. 緑内障により低下した視力は、眼圧を低下させると速やかに回復する。
  3. 開放隅角緑内障では、虹彩と水晶体の間の房水の流れが妨げられている。
  4. 開放隅角緑内障では、視野欠損が徐々に進行する。
  5. 急性閉塞隅角緑内障では、急性の眼痛とともに頭痛、悪心・嘔吐を伴った視力低下が起こる。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
かつては「眼圧上昇 → 緑内障」という流れと考えられていましたが、疫学調査により、日本人の多くは正常眼圧内で 緑内障になっていることがわかりました。「眼圧を正常範囲内に維持すれば症状は現れない」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
視神経が高度に障害されると、その機能は薬物治療によっては回復しません。(102-298 選択肢 2)。「眼圧を低下させると速やかに回復する」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
緑内障は、大きく開放隅角緑内障 と、閉塞隅角緑内障に分類されます。この分類は、房水の出口である隅角(虹彩と水晶体の間)が虹彩により塞がれているかどうかです。開放性では、塞がれていません。記述は「閉塞」隅角緑内障についての記述です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は妥当です。

以上より、正解は 4,5 です。
類題 99-190102-298299

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