薬剤師国家試験 第107回 問168 過去問解説

 問 題     

図のように薬物 A は酵素 ア に作用する。
薬物 A 及び酵素 ア に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 薬物 A は、酵素 ア によって、ドパミンに異化される。
  2. 薬物 A は、酵素 ア を阻害して、末梢でのレボドパからドパミンへの異化を抑制する。
  3. 薬物 A は、酵素 ア を阻害して、脳内ドパミンの酸化を抑制する。
  4. エンタカポンは、酵素 ア を阻害して、末梢でのレボドパから 3 – O – メチルドパへの異化を抑制する。
  5. ドロキシドパは、酵素 ア によってノルアドレナリンに異化される。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

酵素 ア によって、L ー DOPA脱炭酸され、ドパミンが生成されています。酵素 ア は芳香族 L-アミノ酸脱炭酸酵素です。これは基礎知識です。

そして
酵素 ア に作用する薬物なので、カルビドパと考えられます。カルビドパは、末梢性芳香族 L – アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害薬です。L-DOPA(レボドパ)が、末梢でドパミンに変換されるのを抑制します。

選択肢 1 ~ 3ですが
薬物 A がカルビドパなので、「酵素 ア を阻害し、末梢でのレボドパからドパミンへの異化を抑制」が妥当と考えられます。選択肢 2 が正解です。

選択肢 4 ですが
エンタカポンは 「COMT」 阻害薬です。(105-155)。酵素 ア を阻害するわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
ドロキシドパについての記述です。

以上より、正解は 2,5 です。
類題 103-165
参考 生化学まとめ モノアミン系神経伝達物質

コメント