薬剤師国家試験 第107回 問167 過去問解説

 問 題     

急性白血病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. シクロホスファミドは、活性酸素を発生させて、DNA を切断する。
  2. ビンクリスチンは、チュブリンの重合を促進して、微小管を安定化させる。
  3. シタラビンは、細胞内で三リン酸化されて、DNA ポリメラーゼを阻害する。
  4. ダウノルビシンは、RNA ポリメラーゼを特異的に阻害する。
  5. イマチニブは、Bcr-Abl チロシンキナーゼを阻害する。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
シクロホスファミドは、アルキル化剤の一種です。「活性酸素を発生させて、DNA を切断」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ビンクリスチンは、チュブリンの重合を阻害して微小管分解を引き起こし、細胞分裂を抑制します。(101-165 選択肢 1)。「チュブリンの重合を促進」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
シタラビンについての記述です。(101-165 選択肢 3 解説)。

選択肢 4 ですが
ダウノルビシンはアントラサイクリン系の抗がん剤です。六員環が4つ連なった構造が特徴であり、平べったい分子です。DNA 塩基の間に入り込み(インターカレーション)、DNA ポリメラーゼや、DNA 依存性 RNA ポリメラーゼを阻害します。「RNA ポリメラーゼを特異的に阻害」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
イマチニブについての記述です。(101-165 選択肢 5 解説)。

以上より、正解は 3,5 です。

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