薬剤師国家試験 第107回 問164 過去問解説

　問 題　　　　　

性ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. フルタミドは、前立腺細胞のアンドロゲン受容体を遮断して、前立腺がんの増大を抑制する。
2. メテノロンは、エストロゲン受容体を刺激して、再生不良性貧血を改善する。
3. エキセメスタンは、子宮内膜のエストロゲン受容体を遮断して、子宮内膜がんの増大を抑制する。
4. デガレリクスは、視床下部のエストロゲン受容体を遮断して、排卵を誘発する。
5. レトロゾールは、アロマターゼを阻害して、エストロゲン合成を阻害する。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

選択肢 1 は妥当です。
フルタミドは、抗男性ホルモン薬です。（103-37）。

選択肢 2 ですが
メテノロン（プリモボラン）はタンパク質同化ステロイドです。作用機序は、アンドロゲン受容体刺激です。「エストロゲン受容体刺激」ではありません。（105-36）。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
エキセメスタンは、アロマターゼ阻害薬です。「エストロゲン受容体遮断」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
デガレリクスは、脳下垂体の性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRH) 受容体を遮断することで、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制します。（103-163 選択肢 1）。「視床下部のエストロゲン受容体を遮断」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
レトロゾール（フェマーラ）は、閉経後乳がん治療薬です。アロマターゼ阻害薬です。（101-34）。

以上より、正解は 1,5 です。

参考　薬理学まとめ　ホルモンの分泌異常に用いられる代表的な治療薬、代表的な性ホルモン代用薬及び拮抗薬