問 題
図は、ヒト免疫グロブリン G (IgG) の構造を模式的に示したものである。領域 A ~ 領域 E で示した IgG の部分構造に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 領域 A は、個体ごとに決められた一定のアミノ酸配列を示す。
- 領域 B で、N – 結合型の糖鎖修飾がなされている。
- 領域 C では、2 本の H 鎖がシステイン残基間で共有結合している。
- 領域 D は、マクロファージの細胞膜上の受容体に結合する。
- 領域 E により、IgG のサブクラスが決定される。
正解.3, 4
解 説
選択肢 1,5 は確実に誤り
選択肢 2 ~ 4 は悩ましいのですが、選択肢 3,4 を正しい
と判断したい問題です。
選択肢 1 ですが
領域 A は可変部と呼ばれる領域です。可変部は様々な抗原に対応する多様性を有する領域です。「個体ごとに決められた一定のアミノ酸配列を示す」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
免疫グロブリンの糖鎖修飾部位は、重鎖 Fc 部分です。本問の模式図では D に対応します。領域 B ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3,4 は妥当です。
S-S 結合なので、システイン残基間で 共有結合 になります。
マクロファージなど 様々な細胞で発現している Fc 受容体と呼ばれる受容体と 領域 D が結合します。(参考 104-116 選択肢 2)。
選択肢 5 ですが
サブクラス(IgG,IgM などの違い)が決定されるのは、本文の模式図でいえば D です。E ではありません。選択肢 5 は誤りです。
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