薬剤師国家試験 第97回 問119 過去問解説

 問 題     

ヒトの抗体及びその遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. 定常部は、重鎖(H鎖)及び軽鎖(L鎖)に存在する。
  2. H鎖の定常部及び可変部をコードする遺伝子は、染色体上で離れて存在する。
  3. H鎖の可変部は、V、D及びJの3つの遺伝子断片によってコードされる。
  4. 遺伝子の組換えにより、可変部の多様性が生み出される。
  5. L鎖の可変部の種類は、V遺伝子の数とほぼ等しい。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 はその通りの記述です。
抗体の構造のイメージは、以下のようなものです。

よって、定常部は重鎖、軽鎖ともに存在します。(上のイメージでは、薄い水色の部分)

選択肢 2 ~ 4 はその通りの記述です。

選択肢 5 は、遺伝子の数よりも可変部の数の方がはるかに多くなります。これは、高頻度の突然変異や、遺伝子の組み合わせによる種類の増加などの要因によります。

以上より、正解は 5 です。

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