薬剤師国家試験 第104回 問116 過去問解説

 問 題     

ヒトの免疫担当細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 特異的な抗原を認識したB細胞は、ヘルパーT細胞の助けを受けて、抗体産生細胞へと分化する。
  2. マクロファージの細胞表面にあるFc受容体は、外来菌体成分と直接結合する。
  3. 肥満細胞は、B細胞に対する抗原提示能を有する。
  4. 活性化したヘルパーT細胞上に発現したCTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原-4)分子は、その細胞自身に抑制性シグナルを伝える受容体として働く。
  5. ナチュラルキラー細胞は、抗原感作を受けて初めて腫瘍細胞やウイルス感染細胞に対する傷害性を有する。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
Fc 受容体とは「抗体」の定常部(Y の下の一本棒の部分)に対する受容体のことです。従って、結合するのは抗体定常部です。「外来菌体成分」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
抗原掲示能を有するのはマクロファージなどの細胞です。「肥満細胞」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
ナチュラルキラー (NK) 細胞は、あらかじめ抗原感作を受けなくとも、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害します。「抗原感作を受けて初めて」ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。
類題 97-118

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