薬剤師国家試験 第104回 問117 過去問解説

 問 題     

図1は一般的なグラム染色の手順①~④とそれによるA菌及びB菌の染色結果を示している。また、図2は別の2種類の菌のグラム染色の結果である。グラム染色及びその結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. グラム染色に用いる試薬は、①がルゴール液、②がクリスタルバイオレット溶液、③がエタノール、④がサフラニン溶液である。
  2.  ④では、A菌は濃いピンク色に、B菌は青紫色に染色される。
  3. A菌はグラム陽性菌であり、B菌はグラム陰性菌である。
  4. 黄色ブドウ球菌のグラム染色の結果は、図2のアのようになる。
  5. 芽胞を形成している菌をグラム染色すると、図2のイのように内部の一部が染色されにくいことがある。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
①、② が逆です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
脱色の時に色が抜けている細長い方が、グラム「陰性」菌です。最後の対比染色はサフラニンによる赤色なので、A 菌が青紫色、B 菌が濃いピンク色です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
グラム陽性であれば、濃い青紫色になるはずです。図Ⅰでいう、A 菌 と同じ色になるはずなので、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当な記述です。

以上より、正解は 3,5 です。

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