薬剤師国家試験 第104回 問15 過去問解説

 問 題     

母乳中で二量体として存在し、乳児の感染防御を担う免疫グロブリンはどれか。1つ選べ。

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgE
  4. IgG
  5. IgM

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

ポイントは『免疫はGAMDE』です。「免疫はガムで」と何度か声に出すと覚えやすいかもしれません。(それぞれ、IgG,IgA,IgM,IgD,IgE のこと。)この順番に、割合が多いです。

Ig とは、immunoglobulin の略です。免疫グロブリンというタンパク質です。抗体の実体が免疫グロブリンです。Ig は、Y字型のタンパク質です。定常部(下の棒線部分+上の先っぽ以外)と可変部(上の先っぽ部分)からなります。G、A、M、D、E というクラスの違いは『定常部』の構造の違いによる分類です。それぞれの免疫グロブリンの特徴で憶えておいた方がよい点を、以下列挙します。

・免疫反応において、まず分布される免疫グロブリン、すなわち、「First 分布」が 「M」です。
IgMの次に分布される「Second 分布」が 「G」です。
IgG の特徴として憶えておきたい点が、胎盤通過できるということです。
初乳に含まれ、乳児の感染防御を担うのが 「A」です。
「E」の特徴は2点です。1点目は、割合が小さく極微量であることです。もう1点は、アレルギー反応において重要な役割を担う点です。

「母乳中に含まれ、乳児の感染防御を担う」のは IgA です。従って、正解は 1 です。

類題 102-15 (ほぼ同問題)

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