問 題
分子軌道法に基づく基底状態の分子の電子配置に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 電子は特定の原子に属さず、分子全体に広がっている。
- 電子は一つの軌道に何個でも入ることができる。
- 一つの軌道に同じ向きのスピンをもつ電子が複数入ることができる。
- 電子はエネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある。
- 結合次数は、(結合性軌道の電子数-反結合性軌道の電子数)/2で与えられる。
正解.1, 5
解 説
選択肢 1 は妥当です。
電子に関する記述です。
選択肢 2,3 ですが
各軌道に入ることができる電子の数は、2つです。また、それぞれの電子のスピンが逆でなければならないという法則が、自然界における原理として成り立っています。Pauli(パウリ)の排他原理と呼ばれる原則です。「一つの軌道に何個でも入ることができる」わけではありません。また「同じ向きのスピンをもつ電子が複数」入ることはできません。選択肢 2,3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
電子がいくつかある時は、エネルギーが一番低い軌道から順に電子が入っていきます。これを構成原理といいます。構造原理と呼ばれることもあります。「エネルギーの高い軌道から優先的に入ることがある」わけではありません。
選択肢 5 は妥当です。
結合次数についての記述です。
以上より、正解は 1,5 です。
選択肢 2 ~ 4 を確実に誤りと判断したい問題です。
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