106回薬剤師国家試験 問185解説

 問 題     

浮腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ネフローゼ症候群による浮腫では、血漿膠質浸透圧が上昇している。
  2. 腎炎による浮腫は、最初に顔面、眼瞼に顕著に表れる。
  3. 肝性浮腫は、上肢に顕著に表れる。
  4. 心性浮腫は、朝方に生じる場合が多い。
  5. 粘液水腫は、指圧で圧痕を残さない。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ネフローゼ症候群とは、高度のタンパク尿により、低タンパク血症を来す状態の総称です。低たんぱくなので、血漿中のアルブミンも低下しています。その結果浸透圧は小さくなっています。そのため、血管の外に水分が移動し、この結果、外から見るとむくみとしてわかります。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。

選択肢 3 ですが
肝性浮腫の場合、腹水や下肢のむくみとして顕著に表れます。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
心性浮腫の場合、夕方に生じる場合が多いです。朝起きて立ち上がる→ポンプ機能が十全に働いていないために滞りがだんだんとたまっていく→夕方ごろにむくんでいるというイメージになります。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
粘液水腫とは、高度に進行した甲状腺機能低下症に続発する皮膚や組織の疾病です。指圧で圧痕を残さないむくみであるのが特徴です。

以上より、正解は 2,5 です。

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